私はリストラで職を失って以来、民事専門の弁護士をしている妻を家庭で支える「主夫」として働いています。
いえ、ただしくは妻の「妻」、と言ったほうがいいのでしょうか。
わたしと妻との夫婦関係は、この数年感で完全に逆転してしまったのです。
長くなりますが、わたしたち夫婦の異常な性生活の話を聞いて下さい。
誰かにこの秘密をあらいざらい話さないと、わたしはいつかおかしくなってしまいそうなのです。
そもそも、私たちの夫婦生活は通常とは少し違ったものでした。
中小企業に勤めるごく普通、いや平均よりもやや「できない」営業マンだった私、誠司と、大学在学中に旧司法試験に合格し、そのまま大手弁護士事務所にとんとん拍子に勤めた妻、絢子のカップルは、はじめから「月とすっぽん」の表現がふさわしい、ふ釣り合いなものでした。
今更出会いのきっかけや交際のあれこれを振り返っても仕方ないので書きませんが、自分でもよくこれほどの女性と結婚にこぎ着けたものだと思います。
絢子は独身のころから、理知的でいながらすごく溌剌としている、一緒にいると元気が出るような魅力的な女性でした。
女性にしてもやや小柄な体に、形のよいバスト。
髪を長めにしているので今は少しイメージが違うかもしれませんが、ショートにしていた大学時代は、広末●子によく似ているなと思ったものです。
友人たちにもよく指摘されたので、これはわたしの自惚れではないと思います。
ただそんな妻も、家で仕事をしているときは、時折ぞくっとするような怜悧な目つきをすることがありました。
のんびりとした営業マン生活をしているわたしには想像も付かない、レベルの高い悩みを抱えていたのかなと今では思います。
しかし、当時のわたしはそんな彼女の心のケアも十分にできない、だめな夫でした。
そのことを、いまでは痛烈に後悔しています。
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