デリヘル嬢に恋をした話
三ヶ月まえぐらいに彼女にフラれた俺は自暴自棄になっていた。
合コンやっては真剣に彼氏を探している女を抱き、ナンパしては擦れた家出少女みたいな女を抱き、風俗では頭の軽そうなアバズレ女を抱いていた。
本当にグズだった。
合コンもナンパもサッパリだったある日。
今日はどこのデリヘルを使おうかなとネットで掲示板を眺めていると、一つのコメントが目に止まった。
○○って店の△△って女はもとAV女優
まぁそんなの今の時代いっぱいいるし、、普通ならそこまで気に止めないんだが俺は妙にその子を呼んでみたくなった。
名前は市川由衣に似てるからゆいにしとく。
その日は予約でいっぱいだったので俺は別な日に呼ぶことにした。
そして呼ぶ当日
ゆいはいわゆる企画物のAV嬢ではなく、単体のAV嬢だ。
見た目はすごく可愛いんだろうと期待に胸を膨らませていた。
ホテルに入り時間をまった。
コンコン
ドアをノックする音がなった。
「こんばんわ」
そこに立っていたのは小柄で可愛らしい女の子だった。
内心かなりテンションが上がったのを覚えている。
「何分コースにしますか?」
「ん?あ、んーと90分で!」
「ありがとうございますっ」
ゆいはそういうとニコニコしながらお店に電話をかけた。
「お兄さんこういう店は結構くるのー?」
「いや、全然。今日は一年ぶりぐらいかなー(本当は月二回ぐらい呼んでるけどな)」
「そうなんだぁ。やっぱお兄さんかっこいいから彼女とかいっぱいいるよねぇ」
「は?かっこいい?俺が?お世辞言ってもなんも出ないよ?」
風俗にありがちな会話をしながらシャワーを浴び、プレイを粛々と進めた。
可愛い顔つきだったけどプレイはかなり大胆だった。
けど入れるとき体中に鳥肌が立っているのに気づいた。
「鳥肌…大丈夫?やっぱ入れるのはやめよっか?」
「えっ。…ゴメン。ありがとう。」
なんか色々拍子抜けしてしまい、俺は寝転んでしまった。
「あの…なんかごめんね?」
「ん?全然いいよ。俺はそんなことよりゆいのこともっとよく知りたくなった。」
「えー?もうしなくていいの?」
「うん。いいよー。今彼氏は?」
他愛のない会話が続いた。
でもそれはどんな女を抱くよりも楽しかった。
「あははは1さん面白ーい!」
「そっかな?なぁ今度なんか美味しいもの食べにいかない?」
「行きたいっ!お肉がいいよー!」
「んじゃ焼肉食いにいこう。すっげーうまい店あるんだ。」
「やったやったー!」
本気で喜んだ顔をしているゆいを見るとなんか俺まで嬉しくなった。
その日は番号を交換したところで時間を迎えた。
スペック
俺
28歳
彼女なし
181 75
見た目 普通
ゆい
25歳
元av嬢
150 cカプ
見た目 全盛期の市川由衣
けど半信半疑だった。
だってデリヘルの女だ。
こんな誘いしょっちゅうあるだろう。
いちいち相手にしてたら相手にしきれない。
だから本当は期待してなかった。
だめ元でメールを送ってみた。
焼肉行こうよーって
そしたら速攻で、行きます!いつにします?って返信がきた。
自分から誘っておいてなんだが騙されてるんじゃないかとか思った。
行ったら後ろから恐いお兄さんが…みたいな展開が頭をよぎった。
そんな心配をよそに約束の日はやってきた。
待ち合わせは7時。
少し無理して高級焼肉店を予約した。
恐いお兄さんの登場もなく楽しい時間を過ごした。
「ゆいはお客さんとよくご飯いったりするの?」
「んーん。これが初めて」
「えっ。そうなんだ。よく誘われそうだけど」
「どうだろ?でも恐いから行かないよー。」
「じゃあ俺が初めての男ってことね…フヒヒ。でもなんで俺?」
「あはっ。わかんないwwwなんとなくこの人ならだいじょーぶそうって思ったから……かな?」
姉さん。
ボクなぜか信用されてます……
本当はデリ嬢と店外で無料ではめはめでうはうはとか考えてるのに……
かといって簡単に信用を裏切りたくない自分ははめはめでうはうはするのは諦めた。
というかそれすらも忘れるぐらい楽しかった。
趣味も合うし、話も合う。
二人でこんなに合うなんてびっくりだねーなんて話してた。
なんだかんだで焼肉→カラオケ→barとはしごをし、気づいたら2時を回っていた。
「うー。俺さんよっぱらちゃったよー。。」
そりゃウィスキーのロックをあんなにガブガブ飲んでたら酔うわと思いつつ
「大丈夫か?俺んち近いから少し休んでいけば?」
とか下心丸出しな感じではなく、あくまでも紳士的に提案をした。
「え?うーん。泊まるのはやめとく。」
ゆいはなんか俺のなかで不思議な存在だった。
こんなにペロペロに酔っぱらっていても肝心なところは抑えてくる。
いままで遊んでた女の子はほぼ家、もしくはホテルにまですぐついてきてた。
正直きたねー女どもがって思ってたし、ついてくるたび女に対して気持ち悪いって感情が積み重なっていった。
でもゆいは違った。
プライベートでまでやりたくないからだろ、、って最初は思ってたんだけどどうやら理由は別にあるようだった。
「俺さん今日はすごく楽しかったねー!また飲みにいこーね」
「んだね。今度はビアガーデン行こうよ。暑い日に外で飲むビールは最高だよ。」
「それ賛成っ!じゃあ来週いこー」
「早速かよww」
「だめぇ?」
上目遣いで俺を見つめる
「…お前くっそ可愛いな…。いいよ。行こっか。」
「やりぃ!んふふ俺さんにお願い事するときは上目遣いが効果的なのね♪」
「いや、多用すんなよ?ありがたみが薄れるww」
「じゃあCoCo壱番で使うねー♪」
「カレー乙」
そんなこんなで初めてのデートは終わった。
次回のデートが楽しみで仕方なかった。
つぎはビアガーデンに行った後、スポーツbarでサッカー観戦をする予定だ。
そのときはちょうどオリンピックの時期でお互いサッカー観戦が趣味だったため、メキシコとの親善試合を見ることにしたのである。
待ち合わせの時間。
改札前で待っているとゆいが改札の向こうからやってくるのが見えた。
あちらも俺を見つけると小走りしながら笑顔で手を振ってきた。
すげー恥ずかしかったけどなんだかそんなものはどうでもよかった。
「おはよ。今日も満面の笑みだな」
「えへへ。待ちましたかー?」
「いや、全然。早速いこーか」
「うんっ。あ、聞いてくださいよー。今日宝くじ当たる夢見たんです(真剣)」
「へ、へー」
「だからね、今日は宝くじを買おうと思うのです!」
「ちょうどあそこに売り場あるから買ってく?」
「もち!」
宝くじ売り場の前にくるとゆいは固まったまま動かない。
「?どうした?買わないの?」
くるっと俺のほうを振り返って
「…買い方わかんない」
照れ臭そうに言った。
そんなアホなゆいが可愛くて可愛くて仕方なかった。
「どんぐらい買えば当たるのかなぁ??100枚ぐらい?」
「そ、そんなに買うの?10枚でいいっしょ」
「むー。じゃあ当たったら山分けね♪」
そんなこんなのやり取りを経て俺たちはビアガーデンにやってきた。
その日は曇りで少し寒かった。
連日暑い日が続いていたので屋外を選んだのだがよりによってその日だけ、寒かった。
「ちょっと今日は寒かったな…」
「まぁね。。でも1さんと一緒にいると楽しくて寒いのも忘れるよー!なんちゃってー」
「ば、ばかっなにいってをばは」
「あはっ。動揺してる~」
「からかうの禁止!!」
「はぁい…(涙)」
「え、泣い…あれ?うそ?ごめん!」
「ぷぷぷ…。あはははは!1さんはからかいがいがあるなぁ」
「…」
「あ、ごめんなさい。もうあんまりしません。。」
「あんまりかよっ」
会話がうろ覚えだけど、、凄く楽しかった。こんな時間がずっと続けばいいと思った。
「もう八時前になるんだな」
「ほんとだー。スポーツバーいかないとだね!」
「よしっ。そろそろ行こうか!」
「うんっ」
こうして二件目のスポーツバーに行こうとしたのだが、この街はとても小さい。
スポーツバーも数えるぐらいしかなかった。
何件か当たってみるものの貸切とか店休とかいろいろな理由でどこも空いてなかった。
「うわっもう試合はじまっちゃうな!」
「ほんとだ!どーしよー」
「ゆいが嫌じゃなきゃ俺んちで見ようよ。」
「えっ。家は……」
「やっぱ嫌か?」
「わたし付き合ってない男の人の家にいったことない、、」
「今日は特例で!大丈夫。なんもしないからさ」
「んー。じゃあ…今回だけ」
そんなこんなで結局家でサッカーをみることになった。
俺はビールと焼酎を、ゆいはウイスキーを買った。
「んあー緊張する!!」
「んあーとかマキバオー以外が使ってるの初めて聞いたわwww」
「んあー緊張するのねー!!」
「お前絶対緊張してないだろwww」
「だって慣れてないんだもん。。」
「まぁそんなに力入れないで気楽に、ね」
結局試合が始まってしまえばそんなことは忘れてしまうのだろう、、ゆいは俺そっちのけで応援しまくっていた。
結局日本が強豪メキシコに勝ちオリンピック本戦に大きな期待がかかった。
「いっやー!今日の試合も面白かったねー」
ゆいは満足そうにウイスキーを飲み干す。
「うんうん。今回はオリンピックそこそこいけるかもな。」
サッカー談義に花が咲いた。
比賀は連れてこなくて本当によかったとか酒井はゴリラの化身だとか、宇佐美は顔が悪いから性格が捻れたとか、、
ひとしきりしたあと。
「どした?話疲れた?」
「んーん。。なんか緊張してきた。」
「い、いまさら!?」
「冷静になったらやっぱ緊張するよー。。」
「じゃあその緊張感を保ったまま真面目な話してもいい?」
「へ?あ、は、はい。」
「ゆいと一緒にいるのは本当に楽しい。」
「…わたしも」
「これからももっと楽しいこと一緒にしていきたい。」
「…」
「だから俺と付き合」
「待って!!!」
「」
「私、、普通の女じゃないよ?」
「そう?そんなことないよ。」
「だってデリヘルの仕事してる。。彼女がそんな仕事してたら嫌でしょ?」
「んー。嫌じゃないっていったら嘘になるかな。でも俺は一人の女の子としてゆいを好きになったんだよ。だから仕事がどうだとかそこまでこだわるつもりはないよ」
「………ごめん。やっぱりもうすこし考えたい。」
先程まで明るかったゆいが急に暗い顔になった。
その日は結局しばらくしてタクシーを呼んで家まで送った。
後日、メールを送ったり、電話をしてみたりしたが一切連絡がとれなくなってしまった。なにかあったのか、と思い店の出勤表をみてみると普通に出勤していた。
正直すごく悲しかったけど同時にそんなもんだったんだなぁとも思えた。
時は過ぎて年が明け。
俺はその一件のあと、また誰とも恋愛できずにいた。
2月某日
街中で酒を飲み酔っぱらっていた。
ゆいの在籍している店のHPを見るとゆいは出勤していた。
呼んでみようかな。
酒の勢いもあった。
気づいたらもう電話をしてた。
いつも予約でいっぱいなゆいだが、その日は驚くほど簡単に予約が取れた。
どんな反応をするんだろう。
怒るかな。嫌がるかな。
考えれば考えるほど怖くなった。
約半年ぶりだ。
あれこれ考えているうちにドアがノックされた。
来た!
俺はそーっとドアを開けた
「こんばん……わ」
「どーぞー。あれ?どっかであったことある??」
「あはは。なんか凄い久しぶりー」
「だなー。元気にしてた?」
「うんっ。なんとかかんとかやってたよー!」
意外と普通だった。
準備していたウイスキーをゆいについであげ、乾杯した。
思い出話に花が咲いた。
しばらく楽しく話をしたところで半年前のところにゆいは触れてきた。
「1さん…あの時はごめんね、、」
「ん?いや、大丈夫」
「私実は鬱病でさ、、心が不安定になっちゃってたんだ。」
「そっか。。」
「良くなった時に何回も連絡しようと思ったんだけど、なかなかタイミングが掴めなくて」
「そうだったのか。じゃあまた今日をきっかけにしてまた仲良くしようよ」
「うんっ!」
ゆいは嬉しそうにうなずいた。
「あの、1さん…?」
「どした?」
「結構時間たってるけど、なにもしなくていいの…?」
「あー。今日は元々そういうつもりで呼んだわけじゃないからいいよwwっていうか恥ずかしくて出来んwww」
「なにそれーwww」
結局本当に指一本触れぬまま時間を終えた。
「また遊ぼうな。」
「うん。また一緒にサッカーみたいです。」
「そういえば来週また代表戦あるな」
「あ、じゃあ一緒に見ましょうか!」
「マジ?じゃあうちおいでよ!」
「うんっ。楽しみにしてます!」
トントン拍子で話が進み、次の週の水曜日また会うことになった。
一週間楽しみで楽しみで仕方なかった。
そして当日。
ゆいの家まで迎えにいき、俺の家へ。また普通にゆいと遊べることが嬉しくて仕方なかった。
この日は代表戦のグアテマラ戦だったかな?
大して重要な試合ではなかった。
俺はビールをゆいはウイスキーを。
そしてお菓子やつまみを沢山買って俺の家へと来た。
「なんかひさしぶりだなぁー」
「そんなに経ってないんだけどなw」
「俺さんの臭いがするー」
「ちょwやめてよwはずかしいわ!」
サッカーは始まっていたが、お互い今回は夢中で見はしなかった。
というのもなんだか話が多いに盛り上がっていたからだった。
「なぁ。俺さぁ前ゆいに好きだって伝えた時真剣だったんだよ」
「そうなの?なんか誰にでも言ってそうって思ったけどw」
「いやいや無いって。本当に好きだったのよ。今でも…」
「…なんで私なの?」
「一緒にいて楽しいし趣味も合うし、なんだろう、、この子とならうまくいくんじゃないかなって思ったんよ」
「私も俺さんのこと好き…。連絡取らない間もずっと俺さんのこと考えてた。」
「まじ?」
「でもね、私じゃダメなの。だってデリヘル嬢じゃん。しかも、、しかも、、」
「うん…」
「私ね、昔AVにも出演してたの。」
ゆいは声を震わせて言った。
要約するとこうだ。
芸能界に憧れて芸能事務所に入ったもののなかなか売れず、キャバクラでバイト、あれよあれよと気づいたらAV業界へ。
金銭面で騙されて出演料パクられたり、無理やりの生中だしで性病にかかったりで鬱まで発症。
ボロボロになって地元に帰ってきて、稼いだお金で自分のお店を出したが、どこからバレるのか周りのお店に素性がバレて嫌がらせを受けたりしたらしい。
もう店も続けられなくなり、借金が残った。
「こんな状態で誰かを好きになって付き合うなんてできないよ。。」
確かに想像を超えてた。
「でも過去は過去じゃんか。これからなんぼでも自分次第で良い方にいくよ。」
「んーん。私の過去は未来すらも壊してしまう過去だよ。だって働いててもすぐ職場であれは元AV嬢のだれだれだーってなっちゃうもん。普通に働くことすらできないんだ。。」
たしかにAV嬢の末路ってなかなか悲惨だとは聞く。
でも、こんなにイイコなゆいが苦しんだり悲しんだりしてるのをやっぱり放っておけなかった。
「そっか。でも俺は今の話聞いてもやっぱりゆいのこと好きだよ。未来を壊しちゃう過去っていったけど、過去を壊しちゃう未来に一緒にできるように頑張ろうよ」
ゆいはボロボロ泣きながらうんうんと首を立てに振った。
「俺さん…ありがとう。ほんとに大好き…」
「じゃあ…」
「けど、付き合うのはやっぱまだ遠慮しときたい…」
「そっか…それならそれでもいいよ。」
「わたしズルいよねw」
その後も色々と語り明かした。
本当に色々と。
気付くと俺は寝てしまった。
朝。
隣にはゆいの寝顔があった。
とりあえずなにも変なことはしてないらしい。
俺はゆいを簡単には抱きたくなかった。
いままで性の部分で辛い思いをしてきただろうからそこは大事にしてあげたかったのだ。
「ん…俺さんおはよぉ…」
「おはよ」
「昨日はなんかごめんね。なんか重い話たくさんしちゃった。。」
「んーん。いろいろ話聞けて嬉しかった。」
「とりあえず帰ろっかな」
「おう、送っていくよ」
こうしてゆいとの久しぶりの飲み会は終了した。
その後も何度かご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりしたわけなんだが、、
ゆいは浮かない表情をしていたと思う。
「俺さんって変な人だよねー」
「そうかな?」
「うん。変!こんな地雷女に寄り付く男はなかなかいないよ」
「俺にとってはここ数年で一番惚れてる女だからねww」
「…っ///変なのっ!!」
なにかと自分を好きになる俺に対して疑問をぶつけてくるようになった。
そしてある日突然また急に連絡が取れなくなってしまった。
出勤表を見てみると普通に出勤していた。
またか、、って思ったけど不思議とこのときはしばらくしたらゆいから連絡が来るだろうと考えていた。
そして約一ヶ月後の数日前
ゆいからメールがとどいた。
内容は本当に大好きだったとう気持ちとだけどそれに応えられないという想いがつづってあった。
最後にありがとう。
まだ別な形で出会えたらいいねと書いてあった。
俺は年甲斐もなく泣いた。
自分の力不足だったんだなぁと思えて悔しかった。
きっと冷静になったらそんな地雷女やめといて正解だって思うのかもしれない。
すぐには返す言葉が思い浮かばなかった。
数日後、というか昨日
仕事終わりにゆいにメールをしてみた。
たくさんかんがえてくれてありがとう。
俺もゆいに会えて嬉しかった。って
するとゆいから電話がかかってきて今から少しだけ会えないかと言われた。
30分後の待ち合わせ。
いろいろ考えた。
どんな顔をして会えばいいかもよくわからなかった。
「俺さん!」
ゆいの声だ
「よ、よう」
「立ち話もなんだから、、焼肉でも立ち話も食べに行きましょう!」
「ちょwwこんな時に焼肉!?」
「いーからいーから!」
そうして二人で初めて行った焼肉店へとやってきた。
「………」
「………」
無言で焼肉を食べる二人
「……おいしいね」
「ん…。そうだな」
「俺さん、、やっぱ好き…」
ゆいは泣いていた。
「………」
「ぐすっ。。ごめんなさい。自分でも、なかなか整理がつかなくて、、」
「うーん。ゆいが自分の想いに整理がつくまで俺は待っててやるよ。」
「!!なんで…なんでそんなに優しいの?」
「ゆいが好きで好きで放っておけないからかなw」
「ありがとう……。」
「こちらこそ。」
「あはっ。」
「ははっ。」
二人でなぜか爆笑してしまった。
「どうしようか?」
「どうしましょうね。」
「とりあえず乾杯しようか。」
「そうですねww」
「俺さんなににしますか?」
「今日はおれもウイスキーにしようかな」
普段飲み馴れないウイスキーを飲んだ。
ゆいにもっと近づきたかったから。
二人で肩を寄せあってウイスキーで乾杯をした。
こうして二人の恋は一応決着した。
いや、まだ続いてるのか。
少しずつでもいいからゆいの心の闇を取り払ってあげたいと思う。
一応終わり。
付き合ってはないけどお互いの距離はかなり縮まったと思う。
まぁ少し鬱な女の子だからどうなるかわかんないけどな。