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wao

Author:wao
エロ小説/官能小説/エロ体験談/エッチな告白の紹介ブログです。
18歳未満の方、エロに興味のない方、の閲覧はご遠慮ください。
掲載記事はフィクションです。
掲載記事のまねをして犯罪等をしないようにお願いします。
掲載に不都合がある方はコメント欄に記載お願いします。

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妻との寝取られ冒険2

社長さんとのことがあってから1ヶ月ほどしたときに妻とよく行く寿司屋で、いつものように二人でカウンターに座り食事と酒を楽しんでいると店に入って来た男性二人組を見て妻の表情が少し変わりました。
男性二人は私の隣に座り酒を呑みながら仕事の話をしていました。
妻が私の方を向かなくなったので私はきっと横の二人が妻の知り合いなんだと直感しました。

「隣の人達知り合いか?」と妻に聞くと妻は「高校の同級生だと思う」
妻の意識した表情から同級生だけではないことはなんとなくわかりました。
しばらくして一人の男性がトイレへと席を立ったときにカウンターに残っている一人の男性が妻を見て
「あれ?ひょっとして○○?」と妻の旧姓で声をかけてきました。
「あ!○○君だよね?」少し顔を赤く染めながら妻が答えました。
「やっぱり○○だよな? 変わってないよね あ!すみません。ご主人ですか?」と私に気がつきそう言いました。
妻が「そう。主人です」と答えたので軽く彼に会釈しました。
この瞬間みなさんもお解かりのように私の頭の中に第2回妻の他人棒計画がメラメラと。


少ししてトイレに席を立った男性も戻って来た頃に妻と同級生と妻が言う男性も懐かしそうに話していたので私から彼らに切り出しました。
「よかったらカウンターからあちらの座敷に4人でうつりませんか?」と二人に言うと二人は「よろしいんですか?」と私に言って来たので妻に「いいよね?」と。
妻も少し戸惑ってはいましたが「いいよ」と返事をしたもので4人で座敷の方に移動しました。

席を移ってから改めて4人で乾杯し色々と話をしました。
彼ら二人は会社の同僚で一人の男性が妻との話の内容からするとお互い好きだったクラスメートってとこのようでした。
特に付き合ってるって事もなく妻とその彼とが言うには、あの頃はまだまだ純情でしたから!とのことでした。
私ともう一人の男性とは妻とクラスメートだった彼をそっちのけでお互いの趣味である車の話で盛り上がっていました。

「この人たちとても、今日知り合ったって感じじゃないね?ずっと熱く車語ってるよ」と妻のクラスメートだった彼に言っていました。
私は意図的にそうしたのでもありませんが4人で一緒に席に着いたにしては、まったく別々の会話をしていました。
第2回計画のこともあって私は妻に「せっかく久しぶりに出会ったんだし携帯のメルアドでも聞いておけば?俺も○○さんとまた車の話でもりあがりたいから」
私の言葉で二人は携帯の番号とメルアドを交換していました。
その後お互いにまた一緒に飲みましょうとその店を出て私と妻は駅に向かい、彼ら二人はタクシーをひらって家路へと向かいました。

2、3日して妻の携帯に彼からメールが来たようです。
内容は確認してはいませんが、妻からの話ではこの前のお礼だったそうです。
妻に彼とならメールや電話してもいいよと告げると妻は少し嬉しそうでした。
数週間が過ぎた頃、私が思っていたように妻から彼と食事に行って来てもいいかと聞いてきました。
「食事くらいいいよ。今更そんなことくらい気にしなくっていいからね」
「うん。けどパパに内緒にして行きたくないから」
「うん。嘘はダメだからね」
「解ってるよ」
「じゃぁまた現実逃避してくればいいさ」
「え???現実逃避って?」
「あはは 別にエッチに誘われればしてもいいよってことだよ」
「もぉ??パパったらそんなことばかり言うんだから○○君に限ってそんなことにはならないからね」
「わかんないよ。もう二人共あの頃じゃなくって立派なおじさん、おばさんなんだから」
「すいませんね、どうせおばさんですよ!」
「おばさんでも恋はすればいいさ!」
「恋なんてしませんよぉだ」

「けどこれだけは言っておくね。絶対にパパ以上に相手を好きにならないこと。そして家族に迷惑をかけるようなことにならないように。それが守れるならママが抱かれてもいいって思えばいいよ」
「もぉパパったら。そんなことする訳ないでしょ。私はパパが一番です」
「1番だけどママも人間なんだから雰囲気でしたくなることもあるだろ?」
「そうかもしれないけど」
「パパはママが誰かに抱かれると興奮する変態なんだから怒ったりはしないしママも現実逃避して楽しめばいいさ」
「わかった。パパありがとね」
そんな会話をしたような気がします。

そして妻は彼と食事に出かけることになりました。
妻自身結婚してから忘れかけていた感情を彼に引き出されてしまうことも知らずに・・・・
彼と食事に出かける為に、支度をする妻を見ていて本当に高校生の頃の妻もこんな感じだったんだろうなと思える程、鼻歌なんか歌いながらお風呂に入り、じっくり下着を選んで色んな服を鏡に向かって合わせたりと始めてデートに出かける小娘のようでした。
いつも以上にしっかりと化粧をした
(なぜか選んだ下着が上下お揃いで黒いレースのモノ)
妻が私に「行ってくるね。夕飯レンジで温めて食べてね」と嬉しそうに出かけて行きました。
不安みたいな気持ちもありましたが、それ以上に妻が私以外の二人目の男と関係を持つかもという興奮の方が強かったと思います。

子供達も個々に色々と行動する年頃になったため、一人妻の用意してくれた夕飯を温めて食べる私でした。
当然それまで一人で家にいても落ち着くことなどありませんでした。
テレビを見ても上の空、新聞を読んでも一向に頭に入って来ません。
なんとか夕飯を食べる時間までやってきたって感じでした。
妻は食事に行く前に何処かでお茶でもと誘われたようで少し早めのお出かけでした。
この時間まで妻からのメールや電話は何もありませんでした。
私は勝手なものでいちいち連絡しなくてもいいと言っておきながら、どこかでは連絡をして欲しいもので何の連絡もしてこない妻に少し腹立たしさも感じていました。
一人で食べる夕飯は本当に味気のないものでした。

チビチビと酒を呑みながらプロ野球中継を見て時間を過ごしていても頭に浮かんでくるのは今ごろ妻は何をしているのだろう?
勝手な私の妄想だけが頭を駆け巡ります。
私以外の男に腕を組んで楽しそうに街を歩く姿、私にしか見せない満面の笑顔で彼に話をする姿、食事をしていてもまるで恋人同士のような妻の姿、そんな色んな姿を勝手に想像している私でした。

プロ野球の中継が終わった頃に私の携帯に着信音が、首を長くして待っていた私は慌てて電話に出ました。
「もしもし」
「パパ?ごはん上手く温めて食べれた?」
「食べれたよ。子供じゃないんだから」
「そっかぁ良かったよ。電子レンジなんて使ったことないでしょ?だからきっと面倒くさくなってそのまま食べてるのかって思ってた(笑)」
「それくらいできますよ。ところで食事はもう済んだの?彼とまだ一緒なのか?」
「うん。今食事終わってお店出たところ。あのね二人で食事している時に話をしていた見たい映画が今日はレイトショーでやっているから見に行ってきていいかな?」
「いいよ。映画くらい」
「ありがとう。映画終われば出来るだけ早く家に帰るからね」
「わかった。ゆっくり現実逃避してくればいいよ」
「あはは そんなこと絶対ないよ。そんな雰囲気全然ないもの。じゃぁ帰る前にまた電話するね」
妻はそう言って電話を切りました。

なんだ映画か・・・がっかりだな。そんな思いでした。
早い時間から呑んでいて落ち着かない気持ちを抑える為に、少し呑み過ぎたのか妻からの電話を切った後、うとうとと眠ってしまいました。
尿意を感じ目が覚めました。
どれくらい寝たのか解らずボォ?ッとしたままトイレに行き、玄関を見に行くと玄関には妻のハイヒールはなく、子供達が帰って来た靴だけがありました。
まだ帰って来ていないんだなと思いリビングに戻ってビールでも少し呑もうとふと時計を見ると、すでに午前1時半を過ぎていました。
慌てて携帯を見ましたが、妻からの着信もメールも来ていませんでした。
一瞬ひょっとして今ごろ・・・と思いましたが、遅く始まった映画だと映画が終わってから少し話をしていてもこれくらいの時間になるかと思い冷蔵庫から缶ビールをだして一気に飲み干しました。

2時半になっても連絡はありませんでした。
一気に私の頭に血が上り妻の携帯に電話をしました。
30秒ほどコールしても妻が電話にでることもなく留守番電話になることもありません。
なぜイライラしたのかわかりませんが、私はイライラしながら携帯を鳴らし続けました。諦めかけた頃に妻が電話に出ました。
「もしもし」少し酔っているような妻の声でした。
「こんな時間まで何処で何をしているんだ!!!」怒鳴るように言ってしまいました。
「ごめんごめん今家に帰るタクシーの中。もう少しで家に着くから・・・」
そんな妻の声の後ろから車のハザードランプの点滅音がカチカチカチと聞こえてきました。

「どうしてタクシーに乗っているのにカチカチ聞こえてくるんだ?」
「え??・・・・今曲がるところだよ」
「嘘を付くなよ!男の車で何かしていたんだろ!!電話も直ぐに出ないし!!」
「どうしてそんなこといきなり言うの?」
「もういいよ!勝手にしろ!!」
私はそう言って電話を切りました。

5分もしないうちに妻は家に帰って来ました。
「ただいま」妻は酔っていました。
「どうして電話して直ぐに帰って来れるんだ?」
「どうしてって・・・家に着いたから・・・」
「嘘を付いているだろ!男の車で送ってもらって家の近くで話でもしていただろ!!」
「パパどうかしているよ?どうしてそんなことを思うの?」
「お前が嘘を付くからだよ!」
「嘘なんて付いてないよ!」
「じゃあ帰る前に電話するって言っておいて電話もしないで帰って来るんだ!」
「遅くなったからパパが寝ていると悪いって思ったからだよ!」
「もういい!!嘘は付かないって約束だろ!」
「嘘なんて付いてないもん!」
私の自分の小ささから来る嫉妬だけの怒りで子供達が起きてくるほどの私達のいい争いがお互いの歯車を少し狂わせた出来事でした。
妻と言い争いをした私達は、妻は寝室で私はリビングでと別々の部屋で寝ました。

次の朝いつもの「パパ起きなさいよ?」と心地よい妻の声はなく、娘の「パパ起きないと遅刻するって!!」と大きな声で起こされました。
「おはよう!」の挨拶もなく無言で目もあわせないで妻は私の所にコーヒーを持って来ました。
何も会話をしないまま仕事へと出かけて行く私でした。
当時の私は絶対に妻が嘘を付いていると確信していたのでこちらから話掛ける事もしませんでした。

特に必要以外の会話もなく、ギクシャクした生活をしたままで一週間ほど経った頃、仕事から戻った私が目にしたのは妻が慌てて携帯を閉じてソワソワしている姿でした。
「何を慌てて携帯閉じているんだ?」
「電話があって少し話してたから」
「誰から?」
「○○君」
「俺のいない時にいつも隠れて電話しているのか?」
「どうしてそんな言い方するの?」
「お前が嘘を付くからだよ」
「だから嘘なんか付いてないでしょ?今も正直に○○君からって言ったじゃないの」
「俺が帰って来たから慌てて電話切ったんじゃないか?俺に聞かれるとまずい話でもしていたんだろ?」
「・・・そんな風に思われるの嫌だから切ったんじゃない」
「どうでも言えるさ」
「パパはどうして私が信用できないの?○○君からこの間のお礼のメールが来たから私がもうメールも電話もしないでってメールしたから心配して電話してきてくれたんじゃない」
「あの日お前が嘘を付くからだよ」
「・・・・・わかったよ。もういい」

それから妻は私に隠れて彼と電話をするようになったと思います。
今までそんなこともしなかった私は妻が風呂に入っている間に、こっそりと妻の携帯を何度見てもメールも着信の履歴もすべて消去してありました。
私もそのことを妻に問いただすこともありませんでした。1ヶ月ほどたったころ子供のお母さん仲間で飲み会するから出かけるといい出かけて行きました。
私は疑いましたが、妻にそれを言うとまた喧嘩になるだけだと思い何も言いませんでした。

夜中の2時頃妻は酔って家に帰って来ました。
家に帰って来るなり風呂場へと向かいシャワーを浴びていました。
私は布団の中で妻の下着を確認したくなりましたが、妻にばれても困ると思い妻が寝静まってから確認しに行くことにしました。
妻と言い争ったあの日以来私達夫婦には夜の営みはありませんでした。
妻が寝室に行きしばらくして、私はこっそり起きて洗濯機のある洗面所へと向かいました。
向かって驚いたのは、妻は洗濯機を回して脱衣カゴのなかの物をすべて洗濯していました。
妻は証拠を消すために洗濯をしたのだろうか?それとも偶然に溜まった洗濯物を洗濯しただけなのか・・・
妻はいつも飲み会に出かけた後、家に帰って来ると酔いをさます為にシャワーは浴びるのです。
私の疑い過ぎか?それとも・・・

そんな思いで喉がカラカラになったので冷えたお茶でも飲もうと真っ暗なリビングに行ったとき青白い光がチカチカと点滅しリビングを照らしていました。
電気を付けて何かと見ると無造作にテーブルの上に置かれた妻のバックから発せられる携帯の着信を伝えるものでした。
ドキドキと心臓の鼓動が激しく私を襲います。
見ようか・・・それとも辞めておこうか・・・
何度も私の心の中で繰り返されます。
しばらく動けないままそんな状態でしたが、私は恐る恐る妻の携帯をバックから取り出して見てしまったのです。
そこにはメールの着信がありました。

受信BOXから受信メールを開くと妻が消し忘れた2通のメールと新着メールがありました。
19:28 ゴメン仕事がまだ終わらないよ
20:12 今やっと終わったから直ぐに行くね
そして新着メールには
俺は真剣に○○のこと好きだから今日の事は後悔していないよ。
おやすみ頭を強烈に殴られたような衝撃が襲いました。
疑いはしていましたが、真実を目の前にすると何とも言えない孤独感と嫉妬心と・・・そして後悔が私を襲って来ました。
私が元々自分自身の性癖で妻を消し掛けておいて妻を信用してやらなかった代償がこれかと悔やんでも悔やみきれませんでした。
妻を取り戻さないと・・・そんな思いがようやく現実を目の前にして起こりました。
私は自分自身の情けなさと後悔と悔しさで胸が張り裂けそうでその夜は一睡もできませんでした。
妻は私の為にではなく、自分の意思で抱かれたんだと・・・
そればかりが、ただただ頭の中で朝まで繰り返されました。
私は一睡もせずに次の朝を迎えました。
子供達もいるもんで妻にはその朝には何も言いませんでした。

けれど妻の携帯にメールを送りました。
「今晩話がしたい。家だと子供達もいるので8時くらいに、いつも行く居酒屋で待っている。」
会社に行く途中でこのメールを送りました。
妻からの返事のメールが来たのは昼休みが終わった1時過ぎだったと思います。
内容はただ「わかりました。」だけでした。
妻も私が話をしたいと告げたことでどんな話の内容になるのかは、わかっているはずです。
怒りなのかそれとも嫉妬なのか自分でも感じた事のないような胸の奥がなんとも言えない気分のまま、なんとかその日の仕事を無事に終えて妻と約束した8時よりも少し早い7時過ぎに居酒屋に着きました。
私は連れが後から来ることを店員に告げ、個室の席へと案内してもらいました。
一人でこれから妻とどう話そうか・・・
そんな事を考えて一人でビールを呑んでいました。

しばらくして8時10分くらい前に妻が店員に案内されてやって来ました。
「遅れてごめんなさい」妻はそう言って私の顔も見ずに席に着きました。
いつものようにジーンズ姿で化粧もそれほどしていない、いつもの姿の妻が私の目の前で下を向いて座っています。
「飲み物は何にする?料理は適当に頼んでおいたから」
「うん。ビールでいい」妻がそう言って私はビールを注文しました。
今までならこの店に来ると直ぐにメニューを開いて「何食べようかな??」なんて言ういつもの妻は目の前にはいませんでした。ただ俯いたままの妻でした。

「昨日は何処に言っていたんだ」
重苦しい雰囲気の中、私はそう切り出しました。
「パパは知っているんでしょ?」
「何を?」
「私が何処に行っていたのか・・・」
「どうしてそう思うんだ?」
「・・・パパはいつからそうなっちゃったの?」
「それは俺のセリフだよ。お前はいつから俺に嘘をついて男と寝るようになったんだ!!」
思わず抑えていた気持ちを抑えきれずに大きな声で言ってしまいました。
妻はその一言で下を向いてハンカチで鼻を押さえ泣き出しました。
妻は泣きながら「パパは私を疑ってたでしょ?」と大きな眼を見開いて大粒の涙をこぼしながらそう言いました。

「疑う?疑われるようなことしていたのはお前だろ!」
「どうして勝手に私の知らない間に携帯盗み見したりするのよ」
「お前がこそこそ男と話をしたりしているからだろ!!」
私は頭に血が上りそう怒鳴ってしまいました。
「何も私はこそこそパパに隠れてパパを裏切るようなことなんかしてなかった」
「してなかった? じゃぁ今はしてるんじゃないか!!」
「・・・・・・」
ハンカチで真っ赤になった鼻の下を押さえながら「私の気持ちなんてパパ全然解ってくれてない!」妻も大きな声で私にそう言いました。
「それは俺が言いたい言葉だ!自分の嫁に浮気された男の気持を考えたことがあるのか!!」
「そうさせたのパパでしょ?私がどんな思いでいたのか全然知らないくせに!」
「そんなことなんて知るもんか!!俺はお前に疾しいことなんてしていないぞ!!なのにお前は俺にどうどうと何もありませんって言えるのか!!」
「・・・・・・・・」
しばらく何も言わずに「パパ・・・お願い・・・それ以上言わないで・・・」
妻は一点を見つめたまま小さな声でそう言いました。

「黙ってられる訳ないだろ!俺に嘘までついて男に抱かれたくせに!」
「・・・・お願い・・・パパもう辞めて・・・」
「自分に都合の悪い事を言われると嫌なのか!!!」
私は気が付くと妻の頬を叩いていました。
私に頬を打たれた妻は、今まで一緒に生活してきて見たことも無いような恐ろしい表情で私の目を睨みつけ言いました。
「私の気持ちなんて一つも解ってないじゃない!!私はパパが好きだからパパが喜ぶならって思ったからパパ以外の人にも抱かれたのよ!自分で私を他の男のところへ行かせておいて少し帰りが遅くなったからって勝手に誤解して怒ったり!!自分勝手なことばかり言わないでよ!!」
「なんだ!!その言い方は!!!俺を裏切っておいて!!」
「パパが私を勝手に疑ったりして、私を信用してくれなくなったからこんなことになったんじゃない!!」

涙でくちゃくちゃになった顔で私に怒鳴りながらそう言った妻は泣き崩れました。
その姿を見て今まで怒鳴っていた私は少し冷静さを取り戻し妻に聞きました。
「彼のことは好きなのか?好きになったから抱かれたのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうなんだ?」
「・・・わかんない・・・」
「わからないのに俺を裏切ったのか?」
「わからないよ・・・けど・・・」
「けど?」
「・・・パパと結婚してから・・・始めて・・・抱かれても・・・いいって心から・・・思った。今の・・・私には・・・大切な人」
妻はゆっくりと詰まるようにそう言いました。

私は最愛の妻から口にされたその言葉に愕然とし、心の中で今まで築き上げてきたものが一瞬に音を発てて崩れて行き、私自身もその場に崩れ落ちました。
当時の私には、ことの発端が私にあったなど考えることもなく妻からのその言葉を聞いて頭に浮かんだことは、自分を棚においてすべてあの男のせいだと思えたのです。
妻と無言のまま店を出て二人して少し離れて歩き家へと帰りました。
重苦しい雰囲気のまま家に着くと、いつもはどこかに出かけている事が多い子供達がリビングで珍しく仲良くテレビを見ていました。

娘の方が「お帰り。あれ?どうしたの二人共暗い顔して」と私達に言いました。
妻は「ちょっとパパと喧嘩しちゃった」と舌を出して娘にそういい、奥の洗面所へと向かいました。
息子が「とうさん。かあさんを泣かしちゃダメだよ!大事にしないとそのうち熟年離婚されるよ」と私に笑いながら言いました。
「そうだな」と一言しか息子に返せませんでした。
妻はだまって子供達が食べ終わった洗い物をいつもと変わらぬように娘としていました。
娘と何やら楽しげに話しながら洗い物をしている妻の中には私以外の男の存在があるのかと思うと、いてもたってもいられなくなり、私は自分の部屋へと行きました。
眠ることも出来ずに布団に入っていた私は、子供達も妻も寝静まった頃に妻が寝ている寝室へと向かいました。
寝室に入ると今まで二人で寝ていたクイーンサイズのベットに妻は一人寝ていました。
「寝たのか?」と妻に問いかけると、しばらくして「ううん」と妻が答えました。
「ママ一緒に寝てもいいか?」と私が言うと妻は何も言わずに少しベットの端へと移動しました。

私は妻の横に入り、私に背を向けている妻を抱きしめようと後ろから肩を抱こうと妻に触れた瞬間に妻は一瞬ビクッとなりました。
妻に「抱いてもいいか?」と聞くと妻は無言で私に背を向けていた身体を仰向けにし、目を閉じていました。
私は妻に覆い被さるように妻を抱きしめキスをしようとしました。
いつもなら妻も私の舌に自分の舌を絡めてくるのですが、自分から絡めて来ることはありませんでした。
妻に愛撫をしても身体は一瞬ビクッとするものの声を出すことはありません。
妻の下着の中に手を入れて妻の陰部に触れたときに、私は妻の心の中を痛感しました。
いつもなら潤んでいるはずの妻の陰部は潤んでいることはありませんでした。
何とも言えない孤独感と情けなさが私を襲い、そのまま何も言えずに妻から離れベットから出ました。

「・・・パパ・・・ごめんなさい」
妻のその一言を聞いて寝室を後にしました。
自分の部屋に戻った私は、妻があんなになってしまったのはあの男のせいだと怒りがこみ上げてきました。その日以来、妻とは家庭内別居と言うのでしょうか、殆どしゃべることもなく私の家政婦さんみたいな妻でした。
そんな夫婦生活が続いていた頃、出張先からの帰りに駅に着いて改札口を出て歩いていると、私の前から見た顔が歩いて来ました。
一度しか見ていませんでしたが、それは間違いなく忘れることの出来ない妻が抱かれたその男でした。
私は睨みつけるように前から歩いて来るその男を見続けました。
そんな私を彼も気が付いたのか私を見て軽く会釈をしました。

その瞬間私は走りより、彼を気付いたときには殴っていました。
「おい!人の嫁さん弄んで楽しいか?」
彼は冷静な顔をして「ここでは人も多いんで今からお時間ありますか?」
「何を涼しげな顔をして言っているんだ!! お前のせいで俺達夫婦はむちゃくちゃだ!」
「すみません・・・よろしければ少しお話を」
「話なんてここですればいい! とにかくどうしてくれるんだ!!」
私は冷静さを失い、駅前で彼に怒鳴り散らしました。
男に連れて行かれるように駅前の公園まで行きました。

公園へ付くなり私はまた男を殴りつけました。
「殴られても仕方ないと思っています。家庭のある女性を好きになったのは私ですから」
男は冷静そのもので私の目を見てそう言いました。
私は余計にその態度が腹立たしく思えてなりませんでした。
しかし相手が冷静であればあるほど自分の情けなさがこみ上げて来ました。
それを感じた私は男に「あんたと話をすることなんかないから帰るよ」と言うと男は「奥さんを攻めないで下さい。悪いのは私なんですから」
「当たり前だろ!人妻を誑かせたんだからな!」
「誑かせたりしていません。私は心から○○さんを好きです」
「よくもそんなことを旦那に言えるな!!」
「ご主人少し考えて見てください」
「考える?そんな事どうでもいい。これ以上嫁に近寄るな!!解ったか!!」
「・・・・」
「二度と嫁に会うなよ!!」
私がそう言うと男は自身に満ち溢れ私にこう言いました。

「ご主人今私が奥さんを支えなければ誰が奥さんを支えるんですか?」
「は?何を言っているんだ!!俺が支えるさ!」
「支えていますか?私にはそうは思えません。奥さんはあなたから逃げているんですよ?」
「逃げている?」
「奥さんは一番信用して欲しいあなたに攻められ続けてあなたから逃げたんですよ。私は妻も子供もいません。だから真剣に○○さんをあなたから奪いたいと必死です」
「何を一人でごちゃごちゃ言っているんだ!」
「今のあなたは○○さんには必要のない男ですよ」
その言葉を聞いて私は男を数発殴りその場を後にしました。
妻には必要のない男・・・彼に冷静にそう言われ私は完敗だと痛感しました。
家に帰る気分にも成れずにその夜は酒を浴びるように呑みました。
その日から私と男との戦いが妻を余計に苦しめることになるとは当時の私には、まったく解っていませんでした。

それからの私達は、ことあるごとに言い争いが増えて行きました。
しかし、私自身は情けないと思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、心の奥底では妻を嫌いになっていた訳ではなかったように思います。
同じように妻も少しはそんな思いはあったのでしょう。
お互いに自分の言動でこうなってしまったと痛感していたからです。
けれど現実は、お互いに歩み寄ろうとして行動や態度で示しても相手が今までのような言動と違うことに妻も私も、苛立ちを感じてそこから言い争いが始まるのでした。

そんな頃、上の娘は友人と旅行に、下の子は部活の合宿へと同じ日に家を開ける日がありました。
いつもなら子供達がいるもので、なんとかぎこちなくとも会話をしていた私達でしたが、その日は私が仕事から帰ってきても重苦しい空気が立ち込めていました。
とくに会話もせずに、夕飯を食べてお互い風呂に入り、ただテレビを見ている二人でしたが、ドラマか何かだったと思うのですが、親が離婚を考えている子供が両親に涙で訴えるシーンがありました。
妻はその画面を見ながら涙しているのが、私にはわかりました。
妻も私と同じようにそのシーンを自分にダブらせて見ているんだと思いました。

「なぁ、ママ彼とはどうなっているんだ?」と重苦しい雰囲気の中私は妻に問いかけました。
ドラマを見て涙した妻は鼻をすすりながら「どうって?」と妻が私にそう言いました。
「俺と彼が偶然街で逢ったのは知っているんだろ?」
「・・・・うん。聞いた」
「そっか。で彼とは?」
「時々電話で話しをするくらいかな・・・」
「彼は俺からママを奪うって言ってたよ」
「・・・」
「ママはどうなんだ?」
「・・・わかんない。そんなことわかんないよ」
「何がわからないの?」
「私がどうしたいのかが・・・」
「逢ってはいないのか?」
「逢おうって言われるけど・・・逢えないよ」
「どうして?」
「わかんない・・・」
妻は俯き加減でそう言いました。

「俺は正直、ママを許せないって気持ちがないとはいえないけど俺自身のせいで、こうなったと思っている」
「・・・」
「勝手だけど俺はママとは離婚なんか考えていない・・・」
「・・・」
妻は何も言いませんでした。
「一度彼と逢ってみれば?俺もママが彼に逢いに行って自分自身の気持ちを考えてみるから」
「・・・」
妻は何もいわずに、テーブルの周りを整理して「寝るね」と言い残し寝室へと行きました。

また妻に彼に逢いに行けと言ってしまった。
妻は私のその言葉をどう受け取ったのだろうか?
私は自分自身、性癖を満たす為に彼と逢えと言ったつもりはありませんでした。
妻自身、彼と逢う事を避けているからにはそれなりの理由があるからだと。
それが私に隠れて逢うことを意地になってしなかったのか、それとも逢ってしまうともう私の元へ戻れなくなってしまうのか・・・
私はこれからの二人の関係がそれによってすべて判断されると思ったからでした。

次の週の週末に私が仕事をしていると妻からメールがありました。
「今日仕事が終われば連絡ください。いつものお店で少し話がしたいもので」と書いてありました。
仕事が終わり妻に電話して、いつもの店へと行きました。
私が店に着いた時には、まだ妻は来ていませんでした。
けれど店に入って席についた頃に妻はやって来ました。
「話って?」と妻に聞き、ビールと少しのつまみを注文しました。
「ごめんね。疲れているのに」
「いいよ。で話ってのは?」
「うん。○○君と一度冷静に話をしてくれないかな?」
「なんで?俺があいつと話をしないといけないんだ?」
「パパはどうしてそんな言い方しかしないの?」
「俺が話をする理由なんてないじゃないか」
「電話でいいから一度話をしてよ!でなきゃ私、どうすればいいかわかんないの」
妻は目に涙を浮かべて私を見てそう言いました。
「わかった。何を話せばいいのか、わからないけどママがそう言うんだったら」
「・・・」
妻はそう言ってバックから携帯を出して電話をかけました。

「もしもし? ううん。今主人といるから・・・少し主人と話してくれる?うん。うん。じゃぁ代わるね」
妻はそう言って私に携帯を渡しました。
「もしもし」
「もしもし。何か私にお話でも?」
「いや。そっちが話があるんじゃないか?妻にあなたと話をしてくれと言われたもんで」
「そうですか。じゃぁわかりました。短刀直入に言いますが、奥さんと別れていただけませんか?」
「は??何を言ってるんだ?」
「いえ。奥さんからすべてお話を聞かせていただきました。あなたは最低ですよ。私が奥さんと逢ったのもあなたの指示なんですよね?それだけでも私には理解できませんが、あなたが指示したのに奥さんを攻めるなんて。あなたは奥さんを自分の欲求を満たす為の道具にしているだけじゃないですか?」
「・・・」
「だからあなたには奥さんを幸せにできるとは思えません。それはあなた自身が一番お解かりではありませんか?私は前にもお話しましたが、今奥様を支えているのは私です。あなたではありません。おわかりでしょ?」
私は彼の言う事に返す言葉もなく電話を切りました。

「・・・・・ママ?・・・ママの好きなようにすればいいよ。明日にでも彼のところへ行けばいい。」
「パパはそれでもいいの?」
「仕方ないさ。ママがそうしたければ」
その後二人に長い沈黙が続き他の客がワイワイと騒ぐ音だけが耳に入って来ました。
私がただ肩を落とし煙草を咥えていると、意を決したように妻は口を開きました。
「パパ?・・・明日彼に逢ってきても・・・いいかな? 泊まりに・・・なっても・・・いいかな?」妻は言いにくそうに私に問いかけて来ました。
「・・・」
「ダメ?」
「わからない・・・今の俺には」
「私○○君からパパと別れろって言われたの・・・」
「・・・」
「けど・・・自分がわかんないの・・・」
「・・・」
「明日彼と逢って自分の気持ち考えてみる・・・もし私が泊まらずに帰って来た時は、私を許してくれる?」
「・・・」
「もし・・・もし・・・泊まって帰って来たときには・・・私を追い出してくれれば・・・いいから・・・」
「・・・」
私は妻に何も言えずにビールを一気に呑み店を後にしました。

次の日の土曜日の朝、妻は彼に逢いに行きました。
その妻の後ろ姿を何も言えずに見送る私でした。
妻が我が家を出てから私の頭に浮かんで来ることは後悔だけでした。
私がもう少し妻自身を信用して大きな気持ちで妻を見守ることができれば、きっとこんな事にはならなかったと・・・。
考えても考えても仕方無いことはわかっているものの、できればこうなる前に戻りたいと・・・。

30分ほどして私の携帯に妻からメールが来ました。
「パパ行ってくるね」
短い内容のメールでしたが、妻は妻なりに電車の中かどこかで私に言える精一杯の言葉だったのでしょう。
子供達も出かけて私一人になった時にこれほど辛いことはありませんでした。
以前妻が社長さんと出かけた後に一人妻の帰りを待つ時とは、全然違うものでした。
自分で何をしているのかもわからないほどで、気が付くと妻が寝ている寝室へと来ていました。
そこには妻の香りがほのかに残っていました。
なぜかその微かに残る妻の香りが私を落ち着かせ、とても懐かしく感じさせました。
ごろっとベットに寝転び天井を見上げると今までの妻との思い出が私の頭の中で駆け巡りました。
ベットに寝転ぶと妻の香りが尚更増すように感じられ、今までならこんな妻の香りさへも感じることなどありませんでした。
始めて妻と出会ってデートしたときには妻の香りを感じたように思えます。
長年夫婦として一緒に生活してきてこんなに妻の香りを感じなかった自分を情けなく思いました。
クローゼットにある妻の衣類、ドレッサーに置かれた妻の化粧品。この部屋は妻のすべてを感じさせてくれるものでした。

妻を感じれば感じるほど妻の大きさを感じる私でした。
ドレッサーの前に座りその上にある化粧品をボ?ッと見ていると、その横に置かれたゴミ箱の中にクチャクチャに丸められて捨てられている便箋を見つけました。
何だろうと思い近寄り、それを手に取りクチャクチャになったモノを戻していくと、そこには便箋の表にパパへと妻の文字で書かれていました。
私は慌ててその便箋をあけました。

パパへ
パパはこの手紙をいつ見つけるのかな?私がこの家から居なくなってからかな・・・
どっちにしろパパがこの手紙を見つけてくれて読んでくれているってことは、私が留守にしているか、家を出て行った後でしょうね。
パパ?今まで普通に何事も無く生活してきて、お互いにうまくいかなくなると、こんなに一緒に生活する事がしんどいモノなんて思わなかったね?
パパも同じだと思うんだけど、私はパパとしんどくない生活に戻りたいよ。
もしこれをパパが読んでいてくれている時に私達がすでに離婚していたら悲しいけど・・・
パパ?もしそうだとしてもパパが私に憎しみや怒りがあってもどこかに私への愛情が少しでも残っていれば元に戻れるように努力してみてください。
お願いします。

妻は私に助けを求めていたのです。
いつこの手紙を書いたのかわかりませんが、妻自身も最悪の離婚を考えて書いた手紙だったのかもしれません。
しかし、今日出かける前かそれとも少し前かはわかりませんが、妻自身がこの手紙を自分で捨てたのは間違いありません。
妻はこの内容をも諦めてきっと手紙を捨てたのでしょう。
私は自分の愚かさを尚更悔やみました。
私は妻に直ぐに電話をかけようとしましたが、昨夜少し話しをしたときに妻が私にどんな気持ちになっても絶対に電話やメールはしないで欲しいと言われたのを思い出しました。
私は妻をなぜ引きとめなかったのかと自分を強く攻めながら、家を出て近くの駅や近くの繁華街で妻の姿を探しましたが見つける事はできませんでした。
家に戻った頃には子供達も家に帰ってきていて、外は真っ暗になっていました。
子供達と食事にでかけ、妻のいない3人での食事は私自身は楽しいものではありませんでした。
子供達も最近私達がうまくいっていないのも察しているようで、妻の外出に関しての話は私にはしませんでした。
食事を終えてそれぞれが風呂にはいり、それぞれの部屋に戻った頃に時計を見ると11時を少し過ぎていました。
もし妻が帰って来るならそろそろかな?と少し安堵した気持ちにもなりました。
12時を過ぎても妻が帰ってないことに苛立ちを感じ始めます。
何度も携帯を手にしては妻に電話をしようと思うのですが、妻との約束を破ることは出来ませんでした。

2時を過ぎた頃、妻からメールが来ました。
「パパごめんなさい。今日は帰れません」
その内容は私に絶望感を与えました。妻と話したときに泊まらずに帰ってくれば許して欲しいと、泊まって帰ってくれば妻を追い出せと自分の口から言っていたのに・・・
妻は私より彼を選んだのです。
今ごろあの男と・・・俺と子供達を見捨てて自分だけが・・・
最初は怒りで身体が震える程でした。
けれどしばらくすると悲しみが私を襲ってきました。
自業自得だとはわかっていてもやりきれない寂しさと悲しさがこみ上げ、どうすることも出来ません。
頭に浮かぶのは楽しそうに男と戯れる妻の姿でした。
私は焼酎をコップに入れて何杯も一気に呑みました。
いつもならしばらくして酔いが回ってくるのですが、どれだけ呑んでも今の自分の気持ちを忘れさせてくれることはありませんでした。
私は泣きに泣きました。
まるで子供の頃のように・・・

気が付くと辺りがボーッと明るくなり始めていました。
一気に呑んだ焼酎のせいで頭はガンガンするし気持ちは悪いし・・・最悪でした。
布団に入り目を閉じるのですが、目に浮かぶのは妻ではなくまだ眠っている子供達の顔でした。
自分のせいで子供達まで辛い思いをさせるのかと・・・
子供達のことを考えていると、ふと妻が捨てた私への手紙を思い出しました。
パパにもし少しでも私に愛情が残っているのなら・・・努力してください。
何度も何度もその手紙を妻の寝室から持って来て読みました。
読み返しているうちに、自分の中にある妻への愛情を確かめながら妻を取り戻すことを決意しました。

朝の8時を過ぎた頃だったと思います。
妻からメールが届きました。
「パパごめんなさい。今から家に帰ります」
私はそのメールを見て大きく深呼吸をして「よし!子供達のためにも」と心の中で叫びました。
そして妻にメールを返しました。
「気を付けて帰っておいで」と。
そのメールを返信した後に子供達がバタバタと出かけて行きました。
しばらくして家の前に車が止まった音がしたので外を見て見ると妻がタクシーで帰って来ました。

「ただいま・・・」と小さな声で玄関を入って来た妻はとても疲れているようでした。
「おかえり・・・疲れているみたいだね」と私が言うと妻は目に涙をいっぱい浮かべて言いました。
「パパごめんなさい・・・パパの好きなようにして下さい」
「わかった・・・」
「うん・・・本当に・・・ごめんなさい」
「俺の好きなようにしていいんだね?」
「うん・・・」
「じゃぁ一緒に風呂でも入るか?」と私が言うと妻は目をまん丸にして
「え??どうして?」
「ママさぁ?、俺に手紙書いてくれてただろ?」
「え?手紙?」
「寝室に捨ててあったママが俺に書いてくれた手紙読んだよ」
「そうなんだ・・・」
「あぁ? とにかく風呂に一緒に入ろうよ」
「けど・・・」
「けど?どうした?」
「私・・・パパに見せれる身体じゃ・・・」
「なぁ?ママ?正直に言うよ。確かに今は怒りもあるのは事実だよ。けどね情けないけどママを許せるかどうか解らないけど、ママを今は嫌いにはなれないんだ」
「・・・・・・・」
「ママの気持ちはどうか解らないけど、俺はママへの愛情が無くなってしまうまで努力してみるよ」
妻は何も言いませんでした。
ただ泣きじゃくるだけでした。

そんな妻を風呂場へと連れて行き、少し抵抗する妻の服を私が脱がせて行きました。
妻を脱がせていく途中、妻の身体の至るところに男から私へのメッセージかのように思えるほど、相手の男が付けたキスマークがありました。
妻は泣きながら「お願いだからみないで・・・」そう言って精一杯身体を手で隠そうとします。
妻の下着もすべて脱がせて私も裸になりシャワーのコックを開きました。
妻の身体に熱く勢いよく出る湯を身体に掛けて嫌がる妻の身体を私が丁寧に洗いました。
洗えば洗うほど妻の身体に付いた赤く残る痕を目にして妻と男の行為が激しかったのを知る私でした。

妻も泣きながら私に「ごめんなさい。ごめんなさい」と何度も何度も・・・
私も妻の身体をすべて綺麗にしてやると思う気持ちで妻の身体を洗いました。洗えば洗うほど涙が止まりませんでした。
今でもあのときの妻の身体を思い出すと当時の悔しさと自分の情けなさがこみ上げてきて涙してしまうほど、私には一生忘れることのできない妻の姿でした。
シャワーを浴びてからリビングに戻り冷たいお茶を飲みながら泣きじゃくる妻に言いました。

「ママは自分の気持ちが確かめられたの?」
「・・・・」妻は答えませんでした。
「答えにくければ答えなくっていいさ」そう言うと妻は首を横に何度も振りました。
「答えたくないんだろ?」
「違う・・・」妻はか細い声でそう言いました。
「何が違うんだ?」
「・・・私は・・・わかったの」
「わかった?何が?」
「・・・ここに戻ってきて・・・わかったの」
「ん?何が?」
「昨日ね○○君と逢って本当に楽しかった・・・家を出たときには○○君にお別れしようと思って家を出たの」
「そうだったんだ」
「けど・・・けどね逢って話をしたり・・・彼に優しくされると・・・言い出せなくなって・・・時間がびっくりするくらい早く過ぎて・・・家に帰りたくなくなったの」
「そっか」
「けどね○○君に私の気持ちを言ったの・・・お別れしたいって」
「彼は何て?」
「パパのところで我慢できるの?って・・・」
「ママはどう答えたの?」
「答えられなかった・・・そして・・・」
妻はそう言うとまた泣き出しました。

「それから彼に抱かれたんだろ?」
「・・・うん・・・ごめん・・・パパごめんなさい。けどね・・・」
「けど?」
「抱かれているときにパパの顔と子供達の顔が浮かんで来るの・・・私涙が出てきちゃって・・・」
「ママは俺より優しいからね・・・」
「ううん。優しくなんかないよ・・悪い女だよ・・・結局彼に嫌なことすべて忘れさせてやるって言われて・・・」
私はその場から逃げ出したくなるほど、その妻の一言で妻と男の行為が妻の身体が示す通りに激しかったことを察しました。
胃の真ん中がキューッとするほど切なく、悲しく、そして悔しく・・・そんな思いでした。

「けどさぁこうやって今ママは家に帰って来ているんだし」そう言って精一杯の笑顔を作り妻に見せました。
「ううん。私はパパより彼を選んだんだよ?パパとのギクシャクした生活より楽しい彼との関係を・・・」
「そうかな?まだママとは終わってないよ」
「どうして?」
「ママは俺を裏切ったって思っていて自分を責めているだけだよ。ここへ帰ってから少しは帰る前とどこか変わっただろ?」
「うん・・・」
「じゃぁそれでいいよ」
「けど・・・」
「直ぐには彼とも切れないだろうし、俺とも元通りにもならないだろうし。ママが思うように過ごせばいいさ!」
「・・・・」
そうして妻が彼に逢いに行く前までよりはお互い少しマシな気分になれたような気がしました。
けれどこれからが私にとっても妻にとっても違った意味で大変な生活になるのでした。
妻が戻ってきてからの生活は、会話は以前のように戻ったものの、二人して確信部分には触れないようにという生活が続きました。
私は妻と彼とがまだ繋がっているのか、それともそうでないのか・・・そんな思いを持ち、妻もまた私が許してくれたのか・・・お互いその部分に触れる会話は避けていたような気がします。
子供達も気を使っているのか、いつもなら夕飯を食べ終わると自分達の部屋へとさっさと行ってしまう二人も私達とテレビを遅くまで一緒に見てくれているように思いました。

そんなある日、子供達が自分達の部屋へと寝に行った後に妻から話かけられました。
「子供達も気を使ってるみたいだね」
「そうだね・・・あぁ見えても心配なんだろ」
「うん。そうね・・・パパはまだ私を疑っている?」
「正直言って疑うときもあるかな・・・」
「そうよね・・・」
「でも考えないように努力はしているかな・・・」
「パパはどうして何も聞かないの?」
「聞かないって?」
「私と○○君のこと」
「・・・・」
「正直言うと・・・聞くのが怖いかな・・・」
「そうなんだ・・・わかった・・・」
私は妻の口から今はもうあったり、電話したりはしていないよと言う言葉を何処かで期待しました。
しかし妻はその部分については言う事はありませんでした。

私とギクシャクしだしてからの妻は「先に寝るね。お休み」と言い残し自分の寝室へと。
私もその後、ビールを呑みながら、テレビを見てリビングの電気を消して自分の部屋へと行くのでした。
布団に入り目を閉じると、あれ以来いつも妻が彼に抱かれている姿が浮かんできます。
心の底から「やめろ!!!」と大声で言いたくなるほど胸がかきむしられる思いになった後、寂しさがどっと襲って来ます。
自分の妻でありながら自分と生活し目の前にいる妻が、私以外の男にも心を許している、そんな現実を感じる瞬間なのかもしれません。
そんな思いをしながらいつのまにか眠ってしまうというような生活が続きました。
妻は妻でそんな私を感じてか、私のことをギクシャクする前のようには思えない部分があったと思います。

ある週末に妻に久しぶりに外食でもしないか?と誘ってみると妻は以前とは少し違った笑顔でしたが、いいよとOKしてくれました。
あれ以来久しぶりの会社の帰りに妻との待ち合わせに、私は結婚前に戻ったかのようなワクワクとした気持ちで妻の待つ場所へと向かいました。
いつもの場所に私よりも妻は早く来ていました。
私を見つけた妻は、久しぶりに見る以前の妻のように私に手を振って微笑んでいました。
私にとってその笑顔は一瞬凄く嬉しい気持ちにさせてくれるのですが、すぐにあれ以来どんな妻の仕草をみても、これもあの男に同じように見せたのか・・・と思ってしまうのが当時の私でした。
不機嫌になってはいけない、そんな思いでなんとか悟られないようにとするのですが、妻も私と長年連れ添ってきたのですからそんな私の一瞬の陰りを察してしまうのです。

その日も私自身にその陰りを感じたのか、先ほどまでの笑顔は消えてどこかよそよそしくなってしまいました。
「何を食べに行く?」以前なら私がそう聞くと妻は食べたいものを考えて答えてくるのでしたが、その日の妻は「パパが食べたいものでいいよ」と答えてきました。
「じゃぁ今日は和食にしようか?」と妻に言うと妻は「いいけど・・・」と少しどこか不満そうに言いました。
「和食じゃ嫌か?」と聞くと「そうでもないけど・・・パパと行ってみたいお店があるの・・・」と少し照れたように言いました。
「じゃぁそこに行こうよ!」と私が言うと妻は「うん」と照れ笑いしながら言いました。一瞬ですがお互い以前のような二人に戻った気がしました。
ところがなんと妻に案内されて行った店はラーメン屋でした。
「え???なんでラーメン?」私は妻に聞くと、この間テレビで紹介していたらしく白味噌仕立てのスープが自慢の店らしいのです。
妻が言うにはどうしても白味噌仕立てのラーメンというものを味わってみたかったらしいです。
店内に入りラーメンと餃子とビールを頼み、何もしゃべらずに二人で注文の品が来るのを待ちました。
出されたラーメンは私にはどうもって感じでしたが、妻の方はご満悦のようでした。
ビールを二本ほど呑み、妻とそのラーメン屋を後にしました。

今までならこの後ラブホへとのお決まりのコースでしたが、さすがにそうも行くわけにもいかずに、妻に何処かにいくか?と尋ねると少し二人で歩きたいと・・・
特にあてもなく二人で繁華街を歩きました。
私は何気に妻に聞いて見ました。
「彼とはあれから逢っているのか?」
「逢おうとは誘われる・・・」
って事は今でも電話では話しているのか・・・と少し落胆しました。
けれども遭ってはいないようです。

「そっか」
話が続きません。
しばらくして妻の方から私に「そっかだけ?」と私に聞いてきました。
「そっか以外に言えないさ・・・俺が巻いた種なんだから」
私がそう言うと妻は何も答えませんでした。
しばらく何もしゃべらずに歩いていると妻の方から話しかけてきました。
「パパ?ホテルに行かない?」
突然の思いもよらない妻からの言葉で私は一瞬立ち止まってしまいました。

「え?ホテルに行くのか?」
「・・・うん ダメかな?」
「い・・・い・・いや・・いいけど」私は焦って言葉がすんなりとは出ませんでした。
「パパ?ラブホテルじゃなくって普通のホテルに今夜泊まろうよ」
「え?どうして??」
私がそう言うと妻は携帯をバックから出して娘に電話をしました。
娘との会話はまるで友達同士のようにキャーキャーとはしゃぐようでした。
電話を切った妻は「パパとラブラブで頑張ってね?だって」と私に苦笑いをしてそう言いました。
妻がタクシーを止め「○○ホテルまで行ってください」と運転手に告げました。
そのホテルは夜景が展望できると有名なホテルでした。
私はタクシーの中で流れる夜のネオンを見ながらどうして妻はあのホテルへと・・・そう考えました。
理由はきっと彼とそのホテルに泊まったってことは間違いありません。
しかしどうして妻がそこへ行きたいのか?・・・・私は目を閉じて妻との沈黙の時間を過ごすのでした。

ホテルに着き私がフロントに行って「今日泊まりたいのですが?」聞いていると妻が横から「あの?バスルームから夜景が見えるお部屋ってありますよね?空いていますか?」とフロントに尋ねました。
空いているとのことで部屋へ案内され、中に入り私は妻に「どうしてこのホテルに来たんだ?」と尋ねると妻は「わかんないけど、パパと来てみたかった」と言って「あ!そうそう!!パパ?ここのお風呂凄いんだよ!!」と私の手を引いてまるではしゃいだ子供用にバスルームへと私を連れて行くのです。
バスルームは全面ガラス張りを感じさせるほどに街の夜景が一望できるほどでした。
ここで妻は彼と・・・そんな思いが私の頭の中を過ぎります。
妻は夜景を見ながら「綺麗だねぇ?」と私にそう言いましたが、私はそんな妻に笑顔すら作ることは出来ませんでした。
バスルームから逃げるように部屋へ戻ると、ベットルームからも夜景が一望できそこには二つのベットが並んでいました。
私の目に飛び込んで来たモノはとても私には耐えることの出来ない生々しさの感じられるモノでした。

立ちすくむ私に妻が「パパ?このお部屋かどうかはわからないけど、この間ここへ○○君と泊まったの」妻は私の目を見てそう言いました。
私はそうだとは解っていましたが、マジマジとその部屋で妻の口からそう言われると、愕然としました。
今、目の前にいる妻は私以外の男とこの同じ夜景を見ながらどんな会話をしたのか・・・そしてこのベットで・・・そして・・・あのバスルームで・・・色んな情景が私の身体の心底を引きちぎろうと攻め立てます。
私はその場に崩れ去り、唇をかみ締めただ拳を握り締めながら、目からこぼれ落ちる涙を抑えるのに精一杯でした。
妻は私よりもあの男を選んだ。
負けた・・・悔しい・・・悲しい・・・そして私さへ妻を焚き付けなければ、そんな後悔・・・
何を思ってみても、ここで起こってしまった現実を無くすことはできない・・・
そして妻の心の中からも消えることはない・・・そして私の心の中からも・・・
私は自分を責め続けました。

そんなときでした「パパ・・・ごめんね」愕然と崩れ落ち、床に膝を着く私の背中から妻がそう言って私を抱きしめてくれました。
その瞬間、私が我慢していた感情が崩れさり、大粒の涙が何度も何度も頬を伝いました。妻に抱きしめられながら泣き崩れる私に妻は優しく私の頬を伝う涙に何度もキスをしてくれました。
二人共言葉もなく、ただ時間だけが過ぎて行く中私の心の中で本当に妻の存在が大きいモノだと痛感していました。
そんな私に妻が「パパ?」と私を覗き込み囁くように呼びました。
けれど私は妻の顔を見ることは出来ずに、ただ肩を落とし俯くたけでした。
「今までこんなパパを見たことなんてなかった・・・本当に私は悪い奥さんだね・・・」
「・・・・・・・・」
「パパと出会ってから私は凄く幸せだったよ。けどね・・・パパがあんなに怖い顔して怒るの始めて見たかな・・・凄く・・・怖かった」
「・・・・・・・・」
「パパから逃げ出したい・・・・って思ったよ」

妻は私の髪の毛を子供を慰めるような仕草で撫でながら私に話し続けます。
「○○君はね、そんなとき本当に優しく私を支えてくれた・・・○○君と話すだけでパパとの嫌なことを忘れることができたの」
「・・・・・」
「今まで子供のことや、いろんなことで私が迷ったり落ち込んだりしても、いつも支えてくれたのはパパだった・・・」
「そのパパが私のことを憎んでいるように感じるのは本当に・・・私も辛かったの・・・」
妻もそう言って自分の涙を手で拭いていました。

「パパと話し合って○○君の所へ行くときは、本当にお別れするつもりで家を出たの・・・」
「その時、○○君にすべて経緯を話したの。勿論最初は私も○○君を私達夫婦の刺激にするためにってこともね・・・」
「○○君はそれを聞いてね・・・最初は少し怒ったようだった・・・けど出会うきっかけはどうであれ今の私の気持ちが一番大事って言ってくれた」
私は妻に抱かれながら話を聞きました。
「私ね・・・勇気を出して今回のことで迷惑かけてごめんなさいって誤った。そしてもう遭わないって言ったの・・・けど・・・けどね・・・」

妻はこみ上げてくる気持ちを抑えるように涙しながら、私の手を取り煌くような夜景が目の前に見えるベットへと私を座らせ、そして続けました。
「○○君が私にそれでいいのか?って何度も何度も私に言うの・・・私にこの先ずっと自分を押し殺してパパと子供達と過ごすのか?ってね・・・・」
「そっか・・・」
私はやっと妻に言葉を返すことが出来ました。
「うん・・・私そのとき・・・パパから・・・逃げたい・・・って思った」
妻は俯きながら本当に小さな声でそう言いました。
ショックでした。何度も何度も自分を否定されてはいましたが、その言葉は私を奈落の底に落とすかのようでした。
しばらく二人の間に沈黙が訪れ、ただ目の前の夜景をどことなく見ている私達でした。

妻がベットから立ち上がり窓辺に迎い、夜景を見ながら
「パパ夜景凄く綺麗でしょ?・・・私パパから逃げたいって思ってから○○君に言われるままここへ来たの」
「・・・・うん」
「けどね・・・来たときにこの夜景なんて目に入らなかった・・・」
「そうなのか?どうして?」
「わかんない・・・私泣いているだけだった・・・」
「こんなに目の前に見えるのに?」
「・・・うん。○○君に部屋に入るなりキスされて・・・目の前のこんな綺麗な夜景もわからないくらいになっていたんだね・・・」
「・・・・・・・」
「私ね・・・抵抗はしたんだよ・・・抱かれる前に・・・」
「そっか・・・・」
「けど・・・けどね・・・○○君に優しくキスされるたびにパパの怖い顔が・・・浮かんできたの・・・」

妻は声を出しながら泣き出し、話を続けました。
「ずっと・・・ずっと・・・最後まで・・・抵抗してた・・・」
妻が泣きじゃくりながらそう言った瞬間、私は先ほどとは逆に妻を後ろから抱きしめて
「ごめん・・・ごめん・・・ごめん・・・」
何度も妻にそう言いながら妻をきつく後ろから抱きしめました。
私がそう言うたびに妻は何度も何度も左右に首を振りました。
「パパは悪くないよ・・・悪いのは私なの・・・私は・・・私はその後に・・・その後に・・・」
「その後に?」
「パパ?? ごめん・・・ごめん・・・」
妻は号泣しながらその場へと崩れ落ちました。
そして泣きじゃくりながら私の方に振り返り私を見つめながら
「最初の時は抵抗していたのに・・・その後・・・その後自分から・・・もう一度抱いてって・・・」
妻のその言葉はそのときの私には耐え難いものでした。
その場から逃げ出したくなるほどでした。
しかし妻をこれだけ苦しめたのも、すべて自分のせいであることは自分自身が一番納得していることでした。

ここで妻の口から出た言葉に同様をして、今までのように妻に悟られたのでは妻は本当に私の元へと戻って来ることはないと、そのとき確信しました。
私は重たい口をなんとか開きました。
「抱かれたことは仕方ないさ。それはもう消すことのできない事実なんだから。これからママがどうしたいのかが大事なんじゃないかな?」
「パパはそんな私でもこれから一緒に生活できるの?」
「出来るさ!ママがいなく成る方がその何倍も辛いことだと思ってる」
「・・・・・・・」
「ママさへもう一度俺にチャンスをくれるなら絶対にママを振り向かせてみせるから!!」
「・・・・」
「二度とママにこんな思いをさすことなんてさせないから!!だから俺にチャンスをくれよ!」
必死に妻に向かって言いました。
妻はただ俯いて泣くだけでした。

そして私に言いました。
「パパ?・・・・私をここで抱ける?」
妻は涙でクシャクシャになった顔で私を見つめてそう言いました。
私は何も言わずに妻を抱き上げベットへと運びました。
妻に何度も何度もキスをしました。そして妻の首筋、胸元へと・・・妻の身体中にキスをしました。
妻の身体中にキスをしていると、この数ヶ月のことが頭の中を駆け巡りました。
これで元通りに戻れるんだ・・・そう何度も自分に言い聞かせながら。しかし・・・妻を愛しく思う気持ちは強いくらい感じるのに・・・一向に興奮と言う気持ちが私の中に沸き立ってこないのです。
あせればあせるほどに・・・・妻も同じだったのだと思います。
ただ二人で抱き合うだけの行為でした。

私は妻に「ごめん・・・」と。
「やっぱり・・・無理だね・・・仕方ないよ」
妻は寂しそうに言います。
「焦ることなんてないさ・・・これからゆっくり戻っていけばいいんだし」
私がそう言うと妻は「本当に戻れるかな?」
「戻れるさ。ママは戻りたいんだろ?」
「・・・・・・」
「彼のこと忘れられないのか?」
今まで口にすることの出来なかったことを妻に問いかけました。必死のおもいで・・・
妻から帰ってきた言葉は「・・・わからない・・・」でした。
私は妻の中で彼の存在がどれだけ大きいのかが解りました。
どうしようもない悔しさの中をただ受け止めるしかない私に妻が言いました。
「けどパパと・・・○○君は違うかな・・・」

妻はか細い声でそう天井を見つめて言いました。
「違う?何が?」
「パパはね、○○君を殴ったでしょ?」
「あぁ あの時は冷静じゃなかったからな・・・すまないことをしたと思っている」
「○○君は殴られても仕方ないって言ってた・・・けどね・・・」
「けど?」
「私が抱かれてから、○○君はパパのことをずっと悪くばかり言うの・・・何につけてもね・・・」
「言われても仕方ないさ」
「パパはそうじゃなかったでしょ?私が抱かれて帰って来ても彼を攻めたり悪く言わなかったじゃない?」
「それは自分で蒔いた種だから・・・」
「そうかな?」
「そうだよ」
「パパは私のことばかり考えてくれてたよ・・・」
「俺と彼とでは立場が違うから一緒の様にはいかないさ」
「ううん・・・違うよ」
「そうかな?俺も彼の立場なら同じだと思うよ」
「そうかな?きっと違うと思う・・・あのね・・・○○君にね」
「うん」
「あの日の帰りにも言われたんだけど・・・・パパに絶対に抱かれるなって」
「そうなんだ」
「うん。電話で話してもパパが抱こうとしないか?抱かれてないか?っていつも聞くの・・・」

「抱かれてないって言えばいいじゃないか?」
「そうは言ったよ・・・けどね・・・パパが○○君の所へ行かせてくれたでしょ?」
「あぁ」
「パパが今言ったように私も聞いたの。もし立場が逆なら○○君はパパとお別れするために私に行かせてくれる?って聞いたの・・・」
「そんなこと聞いたんだ・・・」
「そのときに○○君はパパの事・・・バカな旦那だって・・・自分ならそんなこと絶対にさせないし、無理やりでも自分で別れさすって・・・」
「・・・・まぁ情けない旦那だってことかな・・・」
そう私が言うと妻は立ち上がり窓の外をみながら私に言いました。
「私ね・・・パパと今日食事に出かけてからずっと考えていたの」
「考えていた?」
「うん。パパとラーメンも食べたよね・・・そして街も歩いたね・・・」
「あぁ」
「私ね・・・彼に抱かれた後、家に帰る前にここでお風呂に入ったの・・・勿論一人でだよ」
「彼と一緒にじゃないの?」
「うん。一緒に入ろうって誘われたけどね・・・」

「断ったんだ?」
「うん。一人でお風呂に入ったときに始めて夜景に気付いたの・・・綺麗だなって」
「それまで気付かなかったんだ?」
「うん・・・夜景見ているとね・・・パパとこんなところ来たことないなって・・・」
「・・・・そうだね・・・」
「そのことを今日歩いていると思い出したの・・・私がそんなこと思っているときにパパは私の帰りをずっと待っていてくれたんだって・・・」
「・・・・・・」
「だからパパと今日ここへ来たかった・・・」
「そっか・・・」
「でね・・・今日ここへ来てすぐに夜景が綺麗に見えることに気付いたの・・・」
「うん」
「でね・・・・私・・・ここへ来てよかったって思う」
「どうして?」
「今の私が・・・今の・・・私が本当の私なんだって・・・パパが気付かせてくれた・・・」

私を見る妻の顔は涙は流しているものの、そこには私だけに見せる妻の本当の笑顔がありました。
私の一番見慣れた妻の笑顔が・・・・・・・現実逃避・・・そんな言葉を妻に投げかけて私は妻に自分の欲求を満足させるために自分以外の男に抱かれる事を企てました。
そして妻は抱かれました。そこには興奮と嫉妬という性への満足感は満たされました。
しかしそのことで、私の心の狭さや、男としての小ささで夫婦にとって大きな代償を払いました。
その代償も私達はなんとか二人の力で乗り越えることが出来たと私自身は考えています。
しかし今でも、私の心の中にも妻の心の中にもここに書いた出来事は消えることはありません。
ふとした事から思い出してしまうのが人間ってもので、けれど私は今でも妻を攻めることはしないでいます。
それは私自身がこの世界で本当に楽しんでおられるご夫婦のご主人達のように大きな人間でないからです。
しかし、この出来事以来妻は本当に綺麗になったと思います。
私以外の男性に恋心を抱き母親からもう一度一人の女として戻ったように私には思えます。

今では冗談で私に「パパこの間、またジロジロ見られちゃったよ?また口説かれたらパパはどうする???」なんて私をドキドキさせてくれる妻がいます。
そして今夜も子供達が自分の部屋に行ってから、このサイトのチャットルームで一人の女として私の知らない男性とどんな話をしているのやら・・・・
勿論、妻も本当の自分ではなくもう一人の自分を演じて・・・
女は強し・・・・・・です。

問題の妻と彼とは、妻とホテルに行った次の週に私と妻と彼との3人で会い話をしました。
私の方から妻が私とやり直したいと言ってくれた事を彼に告げました。
勿論妻の口からも彼に伝えました。
彼は妻に必死にそれでいいのか?と何度も問いかけましたが妻の答えは「それでいい」でした。
彼の方は妻に「いつでも戻って来たければ戻ってくればいい」と最後にそういい残して店を出て行きました。
現在私の心の中に時々妻を疑ってしまうときがあるのも事実です。
妻にとっては、やはり彼のことを嫌いになって私を選んだ訳ではないので、そう思ってしまう自分に自己嫌悪に陥るときもあります。
妻とのセックスですが、あの後二人で抱き合いながら試みましたが、そのときは無理でした。

しばらくは妻とセックスすることはありませんでした。
妻の方からは求めてくることはあったのですが、どうしても妻の感じる姿を見ると悔しさと寂しさがこみ上げてきて行為には及びませんでした。
そんな中、何度目かの時に妻から「パパ聞きたくないの?・・・」と私を見上げて聞いてきました。
「何を?」
「私が○○君に抱かれたときのこと・・・」
「・・・・・」
「私が自分から抱いてと言って抱かれたからパパは聞きたくないの?」
「・・・・・・」
「自分から抱いてって言ったんだよ・・・そして・・・自分から○○君にキスして・・・」
異様なほど妻の口からその言葉を聞いて胸が張り裂けそうになり悔しさがこみ上げました。

しかし、いつもそんな風になってしまう私に妻は続けました。
「○○君に嫌なこと忘れさせてくれるって言ったでしょって・・・彼に抱きついたよ」
「・・・・・・」
「自分から・・・・○○君のモノも口に・・・・」
私は妻の口を塞ぐように激しくキスをしました。妻はもっと大きな声で「○○君、私のお口の中で・・・直ぐに・・・逝・・・」
妻に言わさない様に口を塞ごうとキスをするのですが、妻は私のキスから逃げるように続けました。
「お口で・・・逝っちゃったの・・・・」
「やめてくれ!!」私は叫びました。
「その後・・・」
「聞きたくない・・・」
「ダメ・・聞いて・・・それから二人で抱き合って・・・また○○君が私を・・・」
「・・・・・」
「気が狂うほど・・・・いっぱいされた・・・」
「・・・・・・」
「最後は・・・・私のお口に・・・・」

私は気が付くと自分のモノを妻の口へと無理やり押し込んでいました。
妻は「もっと・・・もっと・・固くって・・・いっぱいお口の中に・・・」
私は妻の髪の毛を掴み「こんな風に咥えさせられたのか!!」と声を荒げて言ってしまいました。
妻は私の固くなっていないモノを咥えながら私の目を見て頷きました。
頭の中が真っ白になるほど、嫉妬が沸き起こり私のモノは固く大きくなり、そのまま妻の脚を大きく開かせて一気に肉棒を激しく突きたてました。
「あん・・・パパ凄いよ・・・あん・・・嬉しい・・・抱いてくれて・・」
いつの間にか私は嫉妬心で興奮し妻を攻めていました。今では妻に嫉妬心を煽られて妻を抱くことはできるようになりました。

セックスの最中だけが、彼と妻とのことに嫉妬心で興奮を覚えますがセックスが終わってからと普段は未だに彼と妻のことを考えると、どうしようもない悔しさと切なさを感じてしまいます。
時が経てば、それも興奮だけに変わるのかもしれませんが、現在も未だに考えないようにと過ごしています。
自分の心の中で色んな葛藤が繰り返されてはいますが、私が妻を信用しなくては、また妻が苦しむだけだと解っています。
妻も私がふとしたときに暗い顔をしているのはわかっているようで、そんなときには妻の方から私に声を掛けてくれています。
「パパ!暗い顔してるよ!私はパパのそばがいいんだからね!」と。
やはりこんなときは女性の方が強いものです。

妻は今回のことで母親、妻としてじゃなく私以外の男性二人から一人の女として目覚めさせられたような気がします。
勿論、私も妻を女性として見つめ直した一人なんですが。
夫婦の刺激は確かに長年一緒に過ごしてくると少なくなってくるのは事実です。
刺激を求めて色んな事を夫婦二人で楽しむことができるのは、やはりお互いの信頼関係がないと無理なんですね。
こんな感じで現在は過ごしています。

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