お姉さんと年下の従弟のディープキス
私より年下の男子。
Tくんというと小さい子供みたいだけど、
ただの昔からの愛称みたいなもの。お互い、もう28、22歳。
オトコとして意識するようになったのは、手相の話題になったとき。
Tくんが、専門学校に通い始めて1年経つあたり。
昔、繋いだことがある小さかったTくんの手が、私の手を余裕で越えてた。
私の手より、大きくてごつごつしてて。
ドキッとしてしまったのは、手の熱さも感じたから?
彼氏もいなかったせいかな。
意識してしまうようになってから、好きになってしまうまで時間は掛からなかった。
いとこだからかもしれないけど、
いつもさりげなくそばにいてくれてた感じ。
そして、優しい。
弟みたいに思っていたTくんに、
周りのTくん同年には感じられない余裕も感じていた。
Tくんの性格なのかな。
ある日、Tくんがつぶやくように言った。
「はー、そろそろ彼女欲しいな、姉ちゃん(Tくんは昔から、私を姉ちゃんと呼ぶ)みたいな…。」
聞き間違えてないよね、私みたいな…?ってドキーッとしたけど、態度に出さず、
「へえー、Tくん、年上好きなんだね?」
「年上?まあね。…つうか、好きなのは…」
「なによ~、私の知ってる子~?」
「よく知ってると思うよ。…本人だから。」
時が止まった気がした。
その日から、お姉ちゃんとTくんは、ただのいとこじゃなくった。
恋人として、二人の時が動き出したのだ(笑?)。
「気のせいならごめん。姉ちゃんも俺と、…同じ気持ちな気がするんだ。」
どうして…。
Tくんのお姉ちゃん、してたつもりなのに…。
いろんなことを考えた。
私は、本当は、自分に自信がないこと。
Tくんの思うようなお姉ちゃんじゃない私と付き合っていくうちに、すぐにがっかりされてしまうかもしれない。
お互いの家族のことも考えた。
頭の固い家族同士。
テレビでの、性同一性の人々や、同性婚の人々、不倫してる人々、を、死ねばいいというような、
人の道を…など、言うような人達だ。
いとこ同士なんて、分かってくれる…?
「…」
Tくんが、好き…。
なのに、いろいろ考えると、私と付き合ったTくんが、幸せでいるような未来が私には見えなくて、答えにつまった。
つらい思いをして、悲しい顔をしてるようなTくんが脳裏に浮かぶ…。
「…」
でも、Tくんが好きで…、好きで…。
…お姉ちゃんの私より、女の私が勝ってしまった…。
「…そうだよ。私も…Tくんと…ずっと同じ気持ちだったよ…。
付き合ってみようか…。家族に、内緒で…。」
相談出来たり、優しくしてくれる、オトコになったたくんを、どうしても手離せなくて、認めてしまった、受け入れてしまった。
Tくんがいなくなるのは、嫌だった。
Tくんが、誰かのものになるのも…。
「おう!固い家族どもだからな!気をつけような。」
Tくんは、ほんわかなようで、気が利く。
わざと明るく言ってくれたようだ。
こうして、私とTくんは恋人同士になった。
「…姉ちゃんじゃ、なくなったんだよな。
俺、彼女と、…キスしてみたい(笑)」
「なによ~、たった今、関係が変わったばかりだし、…キスって…。」
ドキドキして顔が熱くなってきてた。
ソファーに座ってた私の隣にTくんが座ってたきた。
「な…なに…」
「二人だけのとき、○○(私)って呼んでいい…?」
「…」
「○○…」
ぐっと引き寄せられて、
「…」
キスされてた。
唇がぷにゅってあたってた。
舌もぬるるって、入ってきて…。
舐めあうように、重ねた柔らかい唇の中で、優しく、れろれろ…しあった…。
キモチイイ…って、ぼうっと、Tくんの舌を舐めてた…。
Tくんの舌、大きい気がしてた…。
やっと唇が離れたとき見えた、糸みたいな唾液が、恥ずかしかった…。
「はあ…、はあ…、」
って、お互いなってたのも恥ずかしかった…。
「○○とのキス、やばいくらいキモチイイ…。」
「うん…。私も…。」
こんなこと言いあったのも恥ずかしかった…。
キスしたら、もっとTくんが好きになった…。
Tくんに抱き締められてるとき、痩せてる…とは言えない、ぽちゃな私の体は、
すっぽりとTくんの体に覆われてて、厚みのある大きい体に、Tくんにまた、オトコを感じた…。
自分は女で、Tくんが男だって感じさせられるたび、Tくんを、オトコとして好きなんだと痛感した…。
それからたくさんの月日が過ぎた。
月日は過ぎても、やっぱり今も、Tくんが大好きだ。
Tくんは、彼氏でいてくれて、相変わらずソバにいてくれて、笑ってる。
今は、二人だけの時は、私が年上なのに、彼氏のTくんに甘えてしまう、普通の恋人同士みたいになってる(恥ずかしい)。
普通の結婚は望めないかもしれない…。
それでも、Tくんと、ずっと一緒にいたいと願ってしまうんだ。